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着色師 野阪好照

三代目。
先祖代々受け継いできた技法を駆使し、
高岡銅器の風合を"いろ"で表現し続けている。

親子二代                        紡ぐ想い

着色師 野阪和史

四代目。
若手職人とのコラボレーションを進め
時代を捉えた革新的な作品づくりに
着色師の立場から参画している。

着色師として伝統を紡ぐ

三代目 野阪好照


着色職人になったのは40年ほど前。
当時は地元の伝統産業である高岡銅器は飛ぶように売れ、
連日、沢山の色付け商品が工場に運び込まれてきた。
多忙を極める家業を自分も手伝わなくてはと、高校を卒業後すぐ、着色師となった。
着色の仕事について深く考える余裕こそなかったが、
ただひたすらに大量かつ多様な作品たちと向き合い続けたことで、
気づけば色付けの技術も向上していったのかもしれない。
けれども、 時が平成に変わり、息子も物心がついてきた頃から、
高岡銅器産業は衰退の一途を辿るようになってしまった。
分業制の高岡銅器において、
着色屋は運び込まれてくる作品がないと仕事を進められない。
もどかしさや、悔しさの分、ひとつひとつの仕事に徹底的にこだわった。
「未来に残すべき過去の色がある」
この数年間、常に念頭においてきた言葉。
自分にできることは、祖父や父から受け継いだ着色の技を守り、
作品それぞれの魅力を『色』で最大限に表現することだけ。

我々、高岡の着色職人が生み出す色は、
西洋のように赤、青、黄でコントロールできるものではない。
古(いにしえ)を感じさせる時間感、
侘び寂びにも似た情感、
色味の奥からにじみ出る仄かな輝き、
それぞれの作品の世界観は、時に色付けの技術で決まる。

この仕事は、まだまだ奥深く、面白い。
自分の技術を過信することなく、
これからも、ひとつひとつの仕事に実直に取り組んでいきたい。

四代目 野阪和史


高校を卒業後は、調理の世界に進んだ。
調味料や素材の組合せで幾通りもの味が表現できることがとても面白かった。
実家に戻り、着色の仕事を始めたが、
無限に広がる色表現の世界は料理の世界に通ずるところもあり、
探求心の強い自分には、ちょうど合っている職だと思う。

けれども、
毎日父一人とだけ向き合っている中で、漠然と感じる不安もあった。
色政の表現の幅を広げるためには、
父とも異なる『自分流の色表現』をもつ必要があるのではないか。
若いうちにもっと幅広い知識と経験を積みたいと考えていた時、
高岡伝統産業青年会の仲間と出会った。
自分と同じ着色を生業とする人だけでなく、
鋳造の職人、彫金の職人、デザイナー、
様々な立場の仲間との連携は強い刺激となり、
また同時に自分の仕事への誇りを改めて認識するきっかけともなった。

昔ながらのやり方、技術はこれからも大切にしていくべきだと思う。
父のことも、祖父のことも、曾祖父のことも、尊敬している。
技術面では、まだかなわないことも多い。
しかし、自分ならではの仕事の進め方として、
仲間との協働、商品開発を積極的に進めていきたい。
着色の技術を表現する「場」を模索することで、
先祖から受け継いだ技術をより多くの人に知ってもらうきっかけを作ることが
今の自分の使命だと考えている。

開発商品は商品紹介ページをご覧ください。

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